街ゆく人に声を掛けて、モノについてあれこれ尋ねる連載『things.』。決して飾らないけれど、人それぞれにお気に入りのモノがある。第25回目はナイジェリアで出会った Nneka さん。ワンピースが素敵だった。
- Name:Nneka
- Age:25歳
- from:アブジャ、ナイジェリア
- Works:教師
- Instagram:none
― こんにちは。今、何をしているの?
こんにちは。今日は仕事も休みだから、とくに何もしてないの。散歩してのんびり過ごしてるわ。
― そうなんだ。お仕事は休みなの?
ええ。私は高校で生物の先生をしているんだけど、今週からしばらくイースター休暇(キリスト教圏の連休)なの。だから明日から1ヶ月くらい地元に帰って家族に会うのよ。
ここから私の地元まではバスで8時間くらいかかるし、道もあまり舗装されていないから、結構ハードな旅なのよ。だから今日はなーんにもしないで、明日に備えて休んでるの。
― そうなんだね。今日は「モノ」について色々な人に聞いているんだけど、Nneka さんのお気に入りのモノとか、いつも持ち歩いているモノを教えて!
今日は散歩してるだけだから、そもそもカバンを持ってきてないんだけど、しいて言うなら紙とペンかな。私は文章を書くのが好きなの。
例えばカルチャーのコトだったり、ファッションや社会に対する思いとか、人とのこととかね。あとはナイジェリアの伝統と政治についてだったり、神様について書くこともあるわ。
紙やノートにアイデアをまとめたら、Facebook でまとまった文章にして発信してるわ。あ、つい最近ブログも始めたの。良かったら見てね。
▷Nnekaさんのブログ:Nekky en You
― クールだね。じゃあ最近買ったモノ、何かある?
最近買ったのは「アンカラプリント」ね。簡単にいうとアフリカン柄の布のことなんだけど、数えきれないほどの種類があるの。どれもカラフルで可愛いわよ。
― 買った布は何に使うの?
この前買った布は、ポーチとか、アクセサリー作りに使うつもり。ハンドメイドでいろいろ作るのが好きなの。まだあんまり上手く作れないし、勉強中なんだけどね。
― モノづくりは楽しいよね。これまでどんなモノを作ったの?
ネックレスやピアスを作ったことがあるわ。あと、革を使ってサンダルを作ったわ!サンダルはすっごく難しかった……(笑)
私は文章を書くこともそうなんだけど、自分で何かを生み出すのが好きなんだと思うわ。
―今日のワンピースもアンカラプリントだよね。
そうそう。これは友達の結婚式に着ていくために、仕立て屋さんで作ったの。もう何年か前のなんだけどね。友達たちとのグループ7人でお揃いにしたのよ。可愛いでしょ?
― お揃いで作ったんだ! いいね。
ええ、デザインはみんな違うんだけどね。同じ柄の布を使って作ったの。これ、袖のところがひらひらしてるでしょ? これは翼のイメージなの。大きく羽ばたけるようにっていう意味を込めたわ。
― 意味を込めて作ったワンピースなんだ。素敵だね。
私はファッションを通じて自分を表現するのが好きなの。今日の私のヘアスタイルについても話していい?
― もちろん。教えて!
今日の私のヘアスタイルは「アフリカンアフロ」って呼ばれるアフリカの女性本来の髪型なの。でも残念なことにナイジェリアの若い女性には、自分の本来の髪型を隠そうとする人が多いのよ。欧米のスタイルに合わせてウィッグを被ったり、アタッチメントを付けたりするの。
私もおしゃれの一環としてウィッグを被ることがないわけではないんだけど……。でもやっぱり、自分たちが本来持っているものに対してもっと誇りを持って生きるべきだと思うの。
無理に外国に合わせる必要はないわ。生まれ持ったこのヘアスタイルは、私にとって「自分は誰なのか」っていうのを示す大事な個性なの。
― なるほど、本当その通りだね。あなたのアフリカンアフロ、とっても素敵!
ありがとう。あなたの真っ直ぐな髪も素敵よ。
― これがないと生きていけない! っていうモノ、なにかある?
神様ね。私はクリスチャンだから。あとは、家族と友達。
― そうだよね。例えば、モノだと「これがないと生きていけない!」っていうのは何かある?
うーん……それだったらスマートフォンかな。去年叔父が買ってくれたのよ。Infinix Mobile っていう香港のメーカーの Android スマートフォンを使ってるの。Facebook で発信するのが好きだから、私の生活にスマートフォンは必須ね。
―次は何を買う予定?
そうね、また違う柄のアンカラプリントが欲しいかな。
――
文章や雑貨など自分でモノを生み出すのが好きだという彼女。「自分の生まれ持ったものに誇りを持つべき」と語る姿がかっこいい!