街ゆく人に声を掛け、モノについてあれこれ訊ねる連載『things.』。決して飾らないけれど、人それぞれにお気に入りのモノがある。第7回目はブリスベンの風景を二眼レフカメラで撮影していた Timothy さん。
- Name:Timothy
- Age:33歳
- From:オーストラリア
- Works:バレエダンサー
- Instagram:@cosina_experiment
― 今日はブリスベンで何をしているの?
今は仕事でここにいるよ。僕はオーストラリア・バレエ団に所属していて、各地を転々としながら活動をしているんだけど、今はブリスベンでショーを開催しているんだ。
今日は僕の休みの日だから、お気に入りのカメラで街なかを撮っているよ。
― そうなんだ。デジタルで撮っている人は多いけど、2眼カメラを使っている人はあまり見かけないね。なんていうカメラ?
これは『Mamiya C220』という日本の2眼フィルムカメラだね。6 x 6フォーマットでスクエア写真が撮れる中判カメラ、とにかくディテールまできれいに再現できるところが気に入っているよ。中判のフィルムカメラを使うと、もうデジタルセンサーじゃ満足できないね。
撮った写真は僕のインスタグラムに公開しているよ。
― クール! フィルムに恋してるんだね。じゃあ最近買ったモノはやっぱりフィルム?
そうだね。ちょうどさっき富士フイルムのベルビア(フィルムの種類)と、何種類かのフィルムを買ったよ。でも今このカメラに入れているのはモノクロームフィルムだけどね。
― 「今、これが一番欲しい!」っていうモノは何かある?
うーんやっぱりカメラかなあ。デジタルカメラに赤外線フィルターが備わっているようなカメラ。
今ものすごく赤外線写真に興味があって、実際に Kodak社の赤外線写真用のフィルム『Aerochrome』を買ったんだけど、1ロールで $80(日本円で約6,400円)もするんだ。かなり高価なんだけど、この色味が本当に忘れられなくて。
もっと気軽に赤外線写真を撮りたいから、赤外線写真が撮れるデジタルカメラが欲しいんだ。
― そのバックパックの中で「これだけは人生に欠かせない」っていうモノは?
今、このバックパックにはフィルムくらいしか入っていないしなあ。「人生に欠かせないモノ」ってけっこう難しいと思うな。僕はそのときに持っているモノだけで生きていくよ。
――
多くの人がデジタルカメラで写真を撮っているなか、彼だけがオーストラリアではほとんど見かけない二眼レフカメラで撮影をしていた。職業がバレエダンサーということだけれど、美を追求するという意味でも、趣味が写真というのは必然的なのかもしれない。